2014年11月7日 平成26年度 技術研修会報告
サンプラスチックス株式会社様の工場を見学して
東海北陸シーリング印刷協同組合 技術委員会 技術委員長 古川幹彦
・はじめに
平成26年11月7日の午後12時ごろに組合員10名がそれぞれ各自にてJR京都駅に集合し、揃ったところでサンプラスチックス株式会社様にマイクロバスにて向かいました。
当日は、朝から秋の気配を感じるとても気持ちの良い天気でした。
サンプラスチックス株式会社様がある京都府相楽郡精華町は、いわゆるけいはんな学研都市で、京阪奈丘陵に立地し、産・学・官の密接な連携のもと、文化・学術・研究・産業の
新しい拠点を形成するとともに、未来を拓く知の国際創造都市だそうです。
組合員を乗せたバスが高速道路を降りた途端に、けいはんな学研都市のすばらしい景観が目に入ってきました。通りの傍らには、国立国会図書館関西館、同志社大学、その反対側には広大で自然豊かな記念公園、バスの進行先にはパナソニック㈱、京セラ㈱、オムロン㈱などの研究所があり、緑が多い通りを抜けて行った先に本日の工場見学の訪問先でありますサンプラスチックス株式会社様に京都駅から約45分ほどで到着いたしました。
・サンプラスチックス株式会社様を見学
サンプラスチックス株式会社様は、資本金5250万円、社員数約80名(パート含む)、設立は昭和32年の会社で、得意先様は食品製造メーカー様などが主体で、クリーンルームでのインモールドラベル容器の製造をしています。製造される製品はプラスチック食品包装容器が主体で、全数3方向からの画像検査でより安全に、プラスチック食品包装容器の利便性を損なうことなく密閉と易開封の両立をめざしより簡便に、容器の軽量化、インモールドラベルによる品質表示等の高精細表示を実現し環境に配慮しつつ国内最軽量化を達成された開発型の企業で、まさしくテクノロジセンターと呼べるにふさわしい工場です。
組合員が本社工場に到着すると、桃井社長様をはじめ今回この工場見学を主に取り仕切っていただいた営業部開発営業課の加藤課長様および社員の皆様方に厚く出迎えられました。そして、平成25年7月に完成した真新しい本社工場の2階の会議室へ招かれました。
会議室では、双方の名刺交換から始まり、桃井社長様のごあいさつ、当組合の岩田理事長がお礼の挨拶をしたあと、早速工場内見学ですが、工場内はクリーンルームなので一度にたくさんの人数での見学が出来ないため、参加した10名を5名づつの2グループに分け、まずはAグループが先に工場内見学、Bグループは桃井社長様のプレゼンテーションを受けることに。私はBグループでしたので、桃井社長様からはじめに会社概要、会社沿革、経営理念、品質方針を伺いました。その後生産される製品の主にマーガリンやヨーグルトのインモールドラベル容器についての説明がありました。生産機械と生産技術の両方で特許を取得、品質マネージメントシステムのひとつとしてISO9001:2000を平成19年11月に取得され、その上で平成21年に直方体6面全部にラベルインサートした容器を、平成24年にはレーザーインモールドラベル装置を立て続け開発、近年では業界に先駆けて、大手メーカー製品を凌ぐ、軽量薄肉の容器に従来比約3分の1の薄さのラベルを成形機械にセットできる独自のインモールドラインを開発完成させたとのことでした。業界は違えど興味のそそるお話ばかりで、夢中に拝聴しているとAグループが戻ってきました。今度は私達のBグループが場内に。場内はクリーンルームの為、貴重品以外は会議室に置き、クリーンスーツに着替えます。手洗い、粘着ローラーを掛け、エアシャワールームを通りやっと工場内へ。製品測定・菌検査室を通り、製造ラインへ案内されました。そこで目についたのが22台並ぶ最新の成形機もさることながら、通路にはAGF(無人搬送車)が走り、原料・カートン・空パレット・完成品をそれぞれ所定の位置まで正確に運んでいました。これも人件費の削減と分業化の為に導入されたようです。クリーンルームの工場内は意外に天井が低く、1時間で40回空気を効率よく入れ替えるとの事。最新の成形機は作業している状態が目視出来、その速さ・正確さは目を見張るものでした。工場のシフトは24時間3直で8時間2直、残りの1直は無人になるそうです。その後クリーンルームを出て工場外に。学研都市は工場敷地内の3割以上の緑化義務があるそうで、多分に漏れずサンプラスチックス株式会社様も緑豊かで、工場屋根には太陽光発電設備、駐車場には電気自動車用充電設備、空気や水の浄化設備やエアコンの室外機は全て建屋外に集中してあり、景観を保つため設置位置も学研都市側から指定され、なおかつフルカバーされていました。
工場見学も終わり、滞在時間もとうに過ぎていましたので、質疑応答の時間も少しだけになってしまいましたが、最後に桃井社長も同伴していただき全員で本社工場前にて記念撮影をし、社員の皆様に見送られ、サンプラスチックス株式会社様を後にしました。
・最後に
本日の工場見学会で業界は少し違えど、最新・最高の技術、徹底した品質、衛生管理をされているすばらしいサンプラスチックス株式会社様からいただいた全てのものを各組合員が自社に戻り少しでも参考になればとても良い技術研修会になるのだろうと思いました。
工場見学後は、伏見稲荷で商売繁盛のご祈願をそれぞれがし、懇親会では豆腐と京料理に舌鼓を打ったあと、岐路につきました。
この技術研修会を通じてお世話していただくとともに、いろいろな面でお心遣いしていただいた、桃井社長様、加藤課長様と社員の皆様、そしてこの工場見学をコーディネートしていただいた日報ビジネス株式会社の鈴木部長様には深く感謝をいたします。
ありがとうございました。
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(http://www.sunpla.co.jp)に掲載されています。 以上